2020年8月号(1)需要の変化に対して、今できることは

コロナ禍で起こる、田舎移住志向。

人口が密集した都会を離れて
「田舎」での暮らしを選ぶ人が増え始めています。
限られた敷地に建物が密になっている街中はウイルス感染リスクが高く、
特に「マンション」はエレベーターや窓のない共用部など、
いわゆる「3密(クラスター)」の条件が揃っているため、
「郊外の一戸建てに移住したい」という人が増加しています。
実際に田舎(安い!)の反響も増えています。

リモートワークによる影響も大きい

「都市部に住んで働く」という価値観が、
コロナ禍により揺らいでいます。
ご存知の方も多いかと思いますが、
今は「リモートワーク」という新しい働き方が増えています。
リモートワーク実施率は、全国で35.5%、首都圏では52.2%となっています。
そうなってくると、リモートワークの広がりは、都市部でのオフィス需要、
住宅需要を低下させる一方、それらの需要を郊外へとシフトさせることになります。

その結果、人口も郊外に移ることになります。
こうした動きは、不動産関連に限らず、様々な産業に変化をもたらし、
価格体系にも変化を生じさせる要因となっています。

マンションでも対策の動きが

先にもふれましたが、マンションの中では
特に「エレベーター」が3密になりやすいと言われています。
中には、すでに数人乗っているエレベーターに押し入ったところ、
某都知事によく似たおばさんから「密です」と叱責された、
という笑えない話もあるそうです。
そんなエレベーターにもコロナ対策の動きが出始めています。
某メーカーが「タッチレス(物に触れない)」を実現するために
「非接触キー」を使い、エントランスから居住階までを
タッチレスで移動することができるという
衛生対策システムの導入を始めています。

エレベーターに抗菌フィルム?

とはいえ、エレベーターをタッチレス化…
となると大掛かりになってしまいますので、
例えばエレベーターのボタンに「抗菌フィルム」を貼って、
「抗菌です」と対策することも、
入居者満足向上のひとつのポイントになるかと思います。
価格の安いフィルムであれば
数メートル約2000円~3000円程度で購入ができます。

需要の変化に対して、今できることは

世の中の変化に対して、今何が必要なのか?
を考えることは大事なことだと思います。
あるアンケートによると「二拠点生活(週末移住)に興味がある」
という人は実に59.1%もいるという結果が出ているそうです。
単に田舎移住が増える…という話ではなく、
今後は、平日は都市部、休日は地方で、といった
二拠点(週末移住)の生活スタイルが増えてくるかもしれません。

マンションやアパートも、
世の中の変化に対応して対策を取っていかなければ
移住者が増えるにつれて、入居率が下っていくかもしれません。
選ばれる物件となるためには、特に今は「抗菌、消毒、換気」といった
「居住者の安全を確保することを最優先としたコロナ対策」が必須になってくるかと思います。