2014年12月号(2)【民法改正】どうなる?個人の保証人原則禁止!?

皆さん、民法が120年振りに大改正されるというニュースをご存じでしょうか?

民法とは憲法や刑法などと並ぶ重要法令であり、いわゆる六法のうちの一つ。

総則、物権、債権、親族、相続の5編から構成されており、民法は私達が生活する上で起こる様々なトラブル解決のためのルールと言えます。

ただこの現民法、1896年(明治29年)に制定されて以来、約120年もの間、抜本的な改正はされておらず、当然ながら現代社会に対応できないものになってきました。

120年前と現在とでは、特にITの進化に伴い契約や商取引のあり方そのものがガラッと変わり、現民法のままではトラブル解決が難しくなってきたのです。

そこで、民法改正会議が5年程前から進められ、ついに法制審議会は来年2月をめどに改正要綱として法務相に答申(難解な説明ですみません<(_ _)>)、政府は来年の通常国会への民法改正案の提出を目指す事となりました。

今回の満室委員会は、この民法改正の中で一番インパクトの大きい、個人保証の原則禁止について、みなさんにご紹介させて頂きたいと思います。

最後までお付き合いの程、よろしくお願い申上げます。

 

 

~個人保証人の保護~

不動産の賃貸借における連帯保証人は、賃借人の未払賃料、退去時の原状回復費用、故意過失による損害賠償等、これまで賃借人の一切の債務を上限無しに保証するのが一般的でした。

ところが、今回の民法改正案の中では個人の連帯保証人への請求について極度額を必須とし、個人の保護を目指しています。

連帯保証人は「上限額いくらまで保証する」と書かれた賃貸契約書に同意して、初めて連帯保証人となり、その上限額を越える保証はしなくてもよい事になります。

六法写真

なぜこの様な改正の動きが出たのかというと、賃貸アパートであっても事件や事故、自殺等による損害補填や原状回復費用は想定外に巨額となる為、付き合いや安易な気持ちで連帯保証人となった結果、多額の借金を個人が背負って破たんすることも多々あったからです。

 

銀行取引のような貸金等債務では、同様の悲劇を防ぐ為に保証上限額を定めていないものは無効と平成17年に民法が改正されてました。

ところが賃貸契約の場合はこれまで規制がされておらず、連帯保証人にはその全額を請求してきたわけです。

 

そんな訳で今回の民法改正では、対象とされる連帯保証人の範囲を「不特定の債務を主たる債務とする、個人の保証人」へと拡げられます。

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これにより、不動産の賃貸契約も個人保証人の保護対象となる訳です。

但し、個人の保証人が対象である為、法人の保証人は対象外。また、住宅ローン等は事業のための借り入れ金ではないので、個人であっても親等は、連帯保証人にはなれる様です。

しかし一方で、個人保証を全面禁止にしてしまうと、銀行等の金融機関は貸し渋りますので、個人が保証人となる場合でも、保証契約の1ヵ月以内に公証役場で公正証書を作成すれば、保証金額や保証内容も、この限りではないとの事です。

 

では不動産の賃貸契約の場合はどうでしょうか?

私たち不動産会社は、賃貸物件に末永く入居して頂ける様、入居前に入居者や連帯保証人の審査や確認後に入居手続きを行ってます。ですから、民法改正により連帯保証人の保証額に上限が設けられるとなれば、当然ながら入居前の審査をより厳しくしなければならなくなります。

しかし厳しすぎて入居を断るというのも本末転倒ですね。

結論として、人口減少社会の到来で借り手が少なくなる一方、私たち賃貸経営者には更に新たなリスクが増えるのですね。

再チャレンジ可能な社会を目指すそうですが、こんなにも厳しい世の中で、一体どう起業家を増やすのか矛盾も感じちゃいます。