2014年6月号(2)滞納家賃回収で、こんな事やっています

滞納家賃回収、こんなことをやっています!?

今回は滞納家賃の回収、それも回収が困難な場合にどういう方法があるのかを見ていきます。通常の督促では「○○までに入金してください」と督促状を送付したり、電話で入金の約束を取り付けたりしています。その後入金確認を行いながら追いかけていくわけです。ところが、約束をしていても入金がない、連絡が取れない、訪問しても居ない、居留守を使う、など回収が難しい場合には法的措置を取ることになります。では、法的措置とは具体的にどのような方法があるのでしょうか。いずれの方法も預金通帳や給料、動産などの差し押さえの前提となる「債務名義」が取得できます。当社ではおおむね以下の3パターンで攻めています(笑)

 

「支払督促」

支払督促とは平たく言えば、裁判所から督促状を出してもらう制度のことです。相手にしてみれば、いきなり裁判所から「金を払え!」という郵便が届くわけです。「これはやばい」と思わせて支払わせることができれば目的達成です。

支払督促のメリットとしてはまず、非常に安価なことです。訴訟と比べると半額ほどで済みます。(30万円なら3,500円くらいです)また、書類の作成や手続きも慣れれば簡単です。そして少額訴訟と違い、金額の制限もありません。

デメリットとしては支払督促が届いてから2週間以内に異議申し立て(金額が違うなど)をされた場合、通常訴訟に移行することです。相手方と過去にトラブルがあった場合、あえて通常訴訟にされるかも知れません。

 

「少額訴訟」

少額訴訟とは60万円以下の金銭債権について原則1日で結審する制度です。書類の作成や手続きも自分で出来ます。訴訟費用は30万円なら7,000円くらいです。

少額訴訟のメリットとしては、何と言っても「原則一日で結審する」ということです。つまり、裁判所に行くのが1日だけです。そのため裁判にかかる費用が結果として安く済みます。

デメリットとしては1年間で10回までという回数制限があること。また、支払督促と同じで相手が「少額訴訟は嫌だ」と異議を申し立てたら通常訴訟に移行すること。そしてあくまで金銭債権のみの訴訟であり、通常訴訟と違い明渡し等の請求はできないこと。最後に、相手が所在不明の場合は少額訴訟はできません

 

「通常訴訟」

文字通り通常の訴訟で金額に制限なし。滞納家賃支払いと明け渡しの同時訴訟も可能。金銭的な訴えだけなら費用は少額訴訟と同じです。そして裁判で相手が請求内容を認めれば1日で結審します。相手が争う姿勢を見せた時に初めて判決を次回に持ち越していくわけです。

メリットとしては相手が所在不明の場合、または催告書や裁判所からの呼び出し状を受け取らない場合にも有効なことです。詳しくは書けませんが「公示送達」という手続きで「相手が受け取ったとみなす」ことができます。書類を見ていない相手は当然ですが裁判には来ないので1日で勝訴判決が出ます。さらに、勝訴判決を取ると金銭債権の時効5年が10年に延びます。

デメリットとしては裁判が長引いた場合や相手側に弁護士が付いた場合です。こちらも弁護士を立てるとなると費用が嵩んでしまいます。

 

まとめ

この3パターンのいずれにせよ裁判所からの書類というのは相当なプレッシャーがあります。また、家賃滞納する人が裁判所に何回も来たり弁護士を雇う金銭的余裕があるとは思えません。支払督促と少額訴訟を基本にして場合によっては通常訴訟で対応しています。

メリット・デメリット