2014年1月号(1)相続学校満員御礼・共有について

matsuo-150x150「もうーいくつ寝るとーお正月―」子供の頃とても楽しみに(お年玉を)していたお正月。今では「この前、お盆だったのにもう正月?」というのが実感です。「光陰矢のごとし」のことわざ通り1年があっと言う間に過ぎ去っていきます。古来から節目の正月、この一年を振り返り新たな一年を迎えたいものです。(そうは思うのですが、だんだん1年が短くなり年末にドタバタしているのは私だけ?) 松尾

 

50歳になったら相続学校満員御礼!(^^)!

10月号でご案内していました相続学校ですが11月8日・9日に第1回目を開催しました。おかげさまで当社管理のオーナー様をはじめ多数ご参加いただき盛会に終えることができました。ご参加いただいた皆様、ご紹介いただいた皆様ありがとうございました!当社スタッフが慣れないこともあり反省点もありましたが、今後に活かしていきます。この相続学校では「円満相続」のために民法、税法、手続き、遺言書の書き方など体系的にそれぞれの専門家による講義があります。そして最後の「検定試験」で締めくくり。参加された方からも「相続の勉強をしていない頃は「相続対策=相続税の対策と思ってた。でもこの二日間で何が一番大切なのかを知った!」という様な感想が多く聞かれました。次回の開催予定は三月の平日です。

ご案内しますのでご期待下さい!

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(全課程修了後の記念写真)

 

 

不動産の共有は避けるべき?

今回は不動産の「共有」について考えます。共有とは簡単に言うと不動産を複数の人(法人)で所有する状態。そしてこの共有がスタートするのは、私道等で半永久的に複数の人で使用しなければならない時、もしくは「相続」の発生時でしょうか。前者なら用途上も評価が低いですし、悔やまれる事もないでしょう。また遺産分割協議がうまくいかなかった結果なら、今はとりあえず諦めるしかありません。

でも「分割協議なんて、あらためて話すのも気を使うし面倒。例え先送りしても、うちは相続税もかからないし、名義はそのままでも問題ないとのこと。そのうちタイミングがいい時に話し合えばいいか…。」等というパターンが今回の問題提起です。

このケースはとりもなおさず法定相続分での共有状態になります。「相続は被相続人が死んだその瞬間に発生、法定相続分での共有となる」のです。死亡届を出して相続が始まる訳ではなく、ましてや分割協議書が完成するまで保留になる訳でもありません。ですからこれをそのまま放置すると、あとあと悔やまれることが多いのです。

例えば放置できるということは、逆に言えば相続人の間では、さしあたって資産を分割する理由がないという事ですよね?ならば当然ながらそんな余裕のある時にこそ、冷静に話し合えるのではないでしょうか。しかし時間の経過とともに「人生、山あり谷あり」。お金が急に必要になる相続人もそのうち現れます。その人にとっては唯一の頼み綱がこの遺産。そして背水の陣で臨む分割協議…。先が思いやられますよね。

ですから専門家に事前に相談しつつ、互いの気持ちを冷静に早い段階で話し合うことが、意外にすっきり円満解決できるという提案です。
この共有が親子間や夫婦間のことなら、確かに心配は少ないかもしれません。親が先に亡くなるのが天の摂理、結果として単独所有になりますから。また夫婦でも離婚さえしなければ、どちらかが先に亡くなり、どちらかがそれを引き継ぐので、どの道単独所有になるから、ほぼ問題なし。

しかし兄弟間ならば、やはり避けるべきです。特に不動産の活用や処分には制限を受けるからです。例えばその後、誰かが「売却してお金に換えたい」と思っても「今は売りたくない」「安すぎる」等、一人でも反対ならできません。まして不動産の処分は手続きも面倒で、司法書士による共有者一人ひとりの本人確認や、指定された委任状・印鑑証明等が必要、市販の委任状程度で売却を依頼なんて不可能なのです。また建物の大規模修繕や建築契約にも共有者全員の同意が必要です。

さらに何もせず放置すれば、最悪の状況に!!それは共有者に新たな相続が発生する場合。そうなると共有者はますます増えて、意思決定がどんどん絶望的になります。この様にとりあえず共有という安易な選択から、遅かれ早かれ問題が噴出します。

鎌倉時代に田んぼを分ける者を「タワケ者!」と称したそうですが、それはひとつの不動産を分けてはならないという、今でも通じる言葉と(笑)解釈しています。

ただ苦し紛れの共有が多いのも現実です。それは相続税を支払う必要があり、軽減措置等の特例を使わざるを得ない場合です。遺産分割協議の内容が、たとえ妥協の産物であっても成立さえすればこの利点があるからです。具体的には10カ月以内に遺産分割協議が成立、申告さえすれば「配偶者特別控除」や「小規模宅地等の評価減特例」等が使えるのです!!これは大きな魅力です。

相続税がかかる方なら確かに妥協したくもなりますね!!だからこそ事前の準備や対策が必要と言うわけです。