2014年5月号(2)相続対策は、もはや責任と義務です!!

相続写真

「また相続の内容書くとね?」と言う声が聞こえてきそうですが…。

どうか私のくどくてわかりづらい話にお付合い下さい。(^ ^;)ゞ

来年1月1日以降の相続より相続税の基礎控除が改正となる事は既にご承知の通りと思いますが、最近、相続をテーマにした新聞記事やニュースも増え、相続に関心を持った方が増える一方、知っていれば「得」するという内容で、テクニック重視のセミナーも多数開催されています。

ただ当社では「50歳になったら相続学校」の開校や、相続の無料相談を通して、皆様と一緒に『徳』について考え共に成長できればと考えてます。これが円満相続につながればまさに幸悦の極みです。

さて前置きが長くなりましたが、最近は開校を通じてこの相続相談を受ける機会がずいぶんと増えました。ところが悲しい事に、既に相談を受けた時には相続人さん同士が揉めているケースも多々あります。そこで今回、事例をご紹介し、改めて相続を知ることの重要性をお伝えしたい と思います。

早速ですが下の家系図を参照下さい。

関係図

この図は、土地の持ち分を売却してお金を創りたい依頼者Eさんと、その相続人の相関図です。

現状ではEさんはこの二人の子の一人と合意が取れず、売却の話が進まない為に 何か方法がないかとのことでした。もともと対象の土地は、亡くなったご兄弟Aさんが所有していた土地との事でした。

しかし、「んっ?ちょっとまてよ。なぜ?」という疑問も発生。そうです。今回のケースでEさんが相続人となるのは、Aさんに子供がおらず、既にAさん達ご兄弟の両親も亡くなっている場合です。

しかし、ご覧の通りAさんには子供が2人いました。しかしそれは妻の連れ子で、Eさん達にその事を言わずに結婚したという事が分かったのです。そして連れ子がいる妻と入籍したAさんでしたが、その後、子供2人と養子縁組をする事も、遺言書を残す事もなく亡くなった訳です。

ですから本来なら、Aさんの妻と子供が相続するはずだった土地は、Aさんの妻とEさん達兄弟が相続する形となってしまったのです。そこから兄弟たちに相続放棄をさせようとした子供たちとの間で、ちょっとした言い争いが引き金となり、結果として民法通りの形で不動産登記、(法定相続は法定相続人一人だけの申請でも登記可。)その後二十年余りが経過した…というのが事の真相でした。

もしAさんが、事前に遺言や養子縁組という対策をしてたら、この様な事にはなっていませんでした。残された家族や兄弟は、この事がきっかけで絶縁状態になっているのです。

 

相続トラブル一旦相続で壊れてしまった関係は、よほどの事がない限り修復する事はありません。実際の実務でこのような「争族」に直面、残された家族の言い分を聞いていると、私も何とも言えない寂しく悲しい気持ちになります。

もはや資産の有る無しに関わらず、家庭を持てば残される家族の為にも必ず相続対策をする!!これは家族を持つ者の義務ではないでしょうか?

 

 

 

「うちに限って、それは大丈夫!」なんて、今ではもう死語だと思います。ましてや「誰に聞けばいいのか分からなかった」というのも、インターネットのある時代、言い訳にすぎません。

不動産の現場で頻繁に相続の悲劇を見る機会が増えたものですから、今回はついつい力が入り、生意気な私見で誠に恐縮でしたが、心配無用な皆様へのご無礼、どうかお許し下さい。