2015年11月号(2)家族信託契約

なぜ家族信託?

2013年2月号でも取り上げた家族信託。

今回は具体例をご紹介いたします。

平均寿命・健康寿命。これらの言葉をよく聞くようになりました。

これは、平均寿命がせっかく伸びたのに“健康的な生活が出来なくなってからの寿命も長くなっている”

という、ある意味で恐ろしい話です。

平均寿命と健康寿命

しかも、とあるデータでは、認知症発症後にストレスから解放され、それからかえって長生きされるケースが急増しているそうです。

更にまた恐ろしい事に、65歳以上の4人に1人が認知症とも言われています。という事は私と妻の両親4名のうち、1人は認知症という事なのです。

しかしここからが家族の本当の苦悩の始まりです。認知症になると“後見人”を付ける事があります。なぜなら、賃貸・売買契約や贈与などの法律行為は出来なくなるからです。

出来なくなるとどうなるか?本来ならば所有している不動産の賃貸や売買、現金等の贈与により家族の面倒を見てくれたはずなのに、そういうお金の使い方が出来なくなります。後見制度はあくまで本人の生活を守るもの。

生活をより豊かにする為の投資や、節税等の行為は対象外。確かに、『自宅療養はもう厳しく、施設へ入所する必要があるが現預金がない。だから不動産を売却して・・・。』

このような場合のみ認められますが、キチンとその後も報告したり等、後見制度は何かと制限されているのです。

65歳以上認知症割合

 

 

家族信託は生前対策に有効です

財産の管理や有効活用が出来ない状態を防ぐ為に、ご本人が元気なうちにご家族の誰かと家族信託を締結しておく。これは残される配偶者・子供・お孫さん達に心労をかけない為に、非常に利用価値の高いものです。

そして大切な事は、家族信託締結後に、土地建物や預貯金通帳の名義変更をしないといけません。

もし、締結後にご本人の判断能力が失われてしまったら、信託そのものは有効でも名義変更が実質出来ない為に、せっかくの信託も無駄になってしまいます。ですので、信託締結後は速やかに名義変更をお勧めします。

ちなみに、託される方に所有権移転登記が必要ですが、受益者を真の所有者のままにしておく為に、これも通常よりも格安で行う事が出来ます。

今回、家族信託契約書のひな形を参考までに同封してますので、契約はご自身でも締結出来ます。

これを基に公正証書もしくは確定日付(700円)は必須です。ぜひ今のうちに作成されてみて下さい。

 

いかがでしたか?“信託”といえば、信託銀行や信託会社が手掛けるものとばかり思っていませんでしたか?

実は平成19年の信託法の改正によって、「利益を得る目的で反復継続」して信託を受託しなければ、受託者に信託業の免許は不要となりました。

これにより可能となったのが「家族信託」です。なので皆さまもお手伝いが出来るのです。今回の私たちの提案パターンは、以下の通りです。

父親所有のアパートを子に信託し、子はそのアパートを父親の為に管理する。だから家賃は父親に入るようにする。

元気なうちにこうしておけば、賃貸経営の予行演習も出来、「右も左もわからないまま、賃貸経営を引き継がせた」とお子さんに言わせずにすみます(笑)

また、この例で言えば父親が他界した後は、お母さんを受益者とする。そのお母さんも他界した時は、●●に相続させる。このような契約も自由に出来る為、開けてビックリの遺言と違い、契約行為として夫婦・お子さん等の当事者みんなが安心出来るのも嬉しい所です。

まだまだその魅力や活用方法を、ここではとても書ききれない家族信託です。気になる方はぜひ一度お声かけください。

家族信託[1]