2015年3月号(2)リーマンショックと譲渡所得の特別控除

ご親族・お知り合いにいませんか?サブプライムの時に不動産を買った方!

不動産の譲渡により利益が出ればその利益に税金がかかります(不動産譲渡 所得税)。しかしこれにはマイホームを売却した時の3,000万円特別控除など、特例が受けられる場合もあります。

今回はその中でもほとんど知られていない「2009年及び2010年に取得した土地等を譲渡した時の1,000万円の特別控除」のお話です。

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個人が2009~2010年に取得した土地又は借地権などを5年間所有した後に譲渡した場合には、その土地等に係る譲渡所得の金額から1,000万円を控除できるものです。

この大サービスの税制が誕生したのは、今を遡ること7年前の2008年。2007年のサブプライム危機により、新興不動産会社が次々と破綻。続く2008年のリーマンショック。株価は短期間で急落、不動産市場は一瞬で凍りつき、多くの不動産関連企業が倒産の危機を迎えました。

そこで時の政府はその非常時に、普段はあり得ない税制を打ち出したのです。それがこの制度。

つまり土地需要を喚起するために慌てて創設された税制なのです。

そしていよいよその2009年取得分が2015年1月1日に5年超所有となりました!なお2010年取得分は2016年1月1日に5年超所有となります。

但しいくつか注意点が・・。

まず2009-2010年に「買った」不動産が対象ですので、相続や贈与で取得したものは対象外です。

また 先に述べたマイホームを売却した時の3,000万円控除の特例との併用も不可。

さらにマイホームの場合だけでなく、収用等の場合や事業用不動産を買い換えた場合のように、他の特別控除を受けられる場合も対象外です。

そして親子や夫婦など特別な間柄(内縁関係の人、生計を一にする親族なども含みます。)にある者から取得した場合も対象外です。

こうやって適用されない場合を並べると、なんだか「使えない」ケースが多いように思われるかもしれませんが、使い勝手の良い点もあります。

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2009-2010年の購入取得時、税務署への届出は不要でした。

ですので、今年以降に売却した土地が偶然その年度に購入したものでも1,000万円の控除です。

またマイホームの土地ではないもの、例えば貸地、遊休地などにも適用されます。

但しこの制度、あくまで対象は土地及びその上にある権利であり、戸建やマンション・アパートといった、建物の売却益には使えないのが原則。しかし結果的には土地売却益とみなして適用可能です。

方法は以下の通り。

売却金額を土地と建物部分に分けて、それぞれの売却益の計算をします。建物は減価償却するため売却利益はなく、売却利益を生じたのは土地だと考えます。そしてそこから1,000万円の控除を適用します。

こんな考え方で結果的に戸建やマンション・アパートにも適用できますよ。

最後に物件単位ではなく所有者単位ですので、1年に2つ売却しても控除は1,000万円です。

しかし2分の1ずつ共有で2,000万円の売却益なら、二人がそれぞれ1,000万円ずつの控除になります。また2009年取得の物件を複数所有で毎年1物件ずつ売却すれば、その間毎年控除が受けられます。

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なおこの特例を受けるには、その旨記載した確定申告書及び該当年度に取得されたものであることを証明する書類が必要です(登記事項証明書や契約書など)。

時代が生んだユニークな制度が今年から動き始めました。

あくまで値上がり益があればの話ですが、利用しない手はありません。

アベノミクスで売却物件が少ない現状では、値上がりしているものも意外と多くあります。是非ご相談ください!!

是非ご相談ください!