2015年4月号(2)老後の資金は必要!でもまだ家は手放せない!

みなさまもご存知の通り、日本は急速な高齢化が進んでいっています。それが原因で将来、生産世代に該当する人口は、これからますます減少していきます。その為、今後の生活費や医療費など、漠然とした不安を抱えている方が増えてきています。

そこで、今回はその不安を払拭できるかもしれない?「リバースモーゲージ」をご紹介します。どうか、最後までお付き合いください!

 

リバースモーゲージってなに?

リバースモーゲージとはリバース=「逆の」、モーゲージ=「担保」という意味です。わかりやすく説明する為に、住宅ローンとリバースモーゲージを比べてみます。

まず、住宅ローンは、住宅の購入資金を金融機関から一括で借入れし毎月一定額を返済する制度です。

次に、リバースモーゲージは正にその逆で、すでに保有している住宅を担保に、毎月一定の融資を受けるものです。具体的には、まず所有する不動産を担保にして、銀行などの金融機関に、借入の申込みをします。その限度額から、毎月一定の金額を年金のように受け取ります。

そして、その期間が増えると共に借入残高が増えていきます。契約満期または契約者の死亡(転居、相続、契約期間の終了など)によって契約が終了した時に、担保を処分することで一括返済をしなければなりません。

ただし、年齢制限・推定相続人全員の同意・担保不動産の評価額が一定以上必要等の貸付要件もあります。(要件の内容は金融機関によって、違いがあります。)

001

 

リバースモーゲージのメリットとリスク

これを利用するメリットは、現金収入が少なくても、居住している不動産を担保に毎月年金のような形で生活資金が受けられる。

つまり!住み慣れた自宅を手放さずにお金を受け取ることができることです。

 

しかし、リスクとして指摘されているものが3つあります。

その一つが①「平均寿命が延びること」です。

これは、利用者が長生きすることで、借入残高が不動産評価額に達してしまいます

 

二つ目②「担保にした不動産価格の低下」です。

これは、契約期間中に担保割れを引き起こしてしまいます。

 

最後の三つ目③「金利上昇」です。

これによって利息込みの借入元利金が増加した場合、不動産価格が低下しなくても担保割れを引き起こす可能性があります。結果として、融資機関がリスク回避の為に融資金額が縮小されたり、期間途中で融資がストップされる事も予想されます。

 

課題と展望

上記のリスクを解決し、リバースモーゲージの普及を図るために、いくつかの課題があります。

 

まず、「公的保険制度の整備」です。

これは、融資金額が不動産の資産価値を超える場合に、超過分を保険でカバーするものです。このような商品が普及すると安心して利用できますね。

 

次に「中古住宅市場の整備」です。

所有期間が長くなった住宅は経年劣化のために老朽化が進んでいます。しかし、住み易さを実現する為に、それなりに多額のリフォーム工事やリノベーションをされて、お住いの方も多いはず。このリフォームや、リノベーションが市場で正当な評価を得られないと十分な融資を受けられません。

 

現在、国交省が躍起になって進めている中古住宅市場の活性化策は、この評価の基盤となる瑕疵補修やインスペクション等、様々な制度を浸透させようとしているものです。

これらの整備により、リバースモーゲージも、更に普及していくのではないでしょうか。

最後になりますが、最近好評の「ななつ星」や「船舶で世界一周」等の夢の終活に、受け取った資金を充てるも良いのではないでしょうか?