2015年5月号(1)物件情報の「囲い込み」撲滅へ!!

yamaguchi 早いものでもう5月。みなさん、ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?私は家族でプチ旅行。自然の中で心身ともに癒されてきました。ところでゴールデンウィークってもともとは映画業界用語なんですね。昭和20年代、この時期に上映された映画が正月や盆を凌ぐ興行成績を記録したことから付けられた宣伝用語だそうですよ。まさかそんな由来だったとは。驚きですね(山口)

 

 

物件情報の「囲い込み」撲滅へ!!

最近、某週刊誌によって財閥系大手不動産会社による物件の「囲い込み」問題が明らかにされました。かねてより問題視されていましたが、社名を出したうえで退職した元社員が告発するという生々しい内容に、不動産業界に衝撃が走りました。囲い込みとは、売却物件を故意に隠したり独占することを言いますが、この問題をお話する前に売買仲介の仕組みをご説明します。

まず売主から売却の依頼を受けた不動産業者は、一定の場合、法律によりその物件を指定流通機構(レインズ)に登録することが義務付けられています

レインズとは不動産業者間でパソコン等を端末として情報共有を行うシステムのことです。これにより情報が不動産業界全体に行き渡り、他の不動産業者を通じて数多くの購入希望者に広く紹介され、早期契約という売主様・買主様双方の利益になるわけです。

ところで私たちが行う不動産の売買仲介での収入源は仲介手数料だけです。

例えば売却依頼を受けたA社がその情報を公開し、B社が買主様を見つけた場合、A社は売主様から仲介手数料を受取ります。

B社は買主様から仲介手数料を受取ります。これを「片手仲介」と呼びます。

そしてこの例でさらにA社が自分で買主様を見つければ、売主様からに加え、買主様からも仲介手数料を受取ります。

これが「両手仲介」。つまり受け取る手数料が倍になるのです。

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囲い込みとは、この両手仲介を狙って行われているものです。

レインズには義務だから登録する。しかし両手仲介を狙うあまり他社からの問い合わせに対しては、「もう話が入っている」とか、「急に売り止めになった」などと偽り、断る。

最もひどい業者は値交渉が入った両手仲介を優先するために、売買価格満額の片手仲介となる、買主側業者の申し込みを断ったりします。

こんな悪質な行為が、残念ながら大手系を中心に存在します。

きちんと登録して情報を公開し、問い合わせてきた他社にも、売主のために誠実に応じる。もちろんしっかり営業活動した結果、両手仲介になれば何も問題はありません。

しかし自社の利益のみを目的とした両手仲介、即ち「囲い込み」は断じて許されない行為です。

このような悪弊をなくすために政府も対策を検討しています。自民党の中古市場活性化委員会が近く取りまとめる「中古市場活性化に向けた提言」では、囲い込みの抜本的改善に向けて、物件の売却を依頼された業者がしっかり現状をレインズに登録しているかを、売主様自身が直接確認できるようにします。

例えば「商談中ボタン(仮)」を設けて、商談中であれば公開できなくなる等の仕組みを創るのです。本年度中の施行が目指されています。

実は福岡県の宅建協会では全国に先駆けて、もう何年も前から物件情報サイト『ふれんず』に「商談中」というボタンを設置し、他社への紹介が可能かどうかを明確に示しています。もちろんどれだけ制度が充実しても、最終的にはそれを運用する不動産業者の資質が大事なのは言うまでもありませんが、既に大幅に改善されています。この実績も国交省からかなり注目を集めていました。

私たちも売却あるいは購入を、オーナー様からご依頼されることが多々あります。今まで述べたように、囲い込みは売主様・買主様双方に何の利益ももたらさない悪質な行為です。

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弊社代表の青山は福岡県の流通委員長として、囲い込み撲滅を先頭に立って実践しています。そのためにもまずは私たち自身がしっかりやることが必要と考えてます。

これからも信頼を得られるように真面目に誠実に営業していくことをお約束致します。