2016年9月号(1)熊本地震被災者インタビュー~我々に出来る事とは~

誰もが被災する可能性があります。他人事ではありません。

 

  • 「震災にあうと心が定まらない」

高齢の両親・身体障害者の姉・ご主人と五人暮らしだった60代のNさん。最初の地震でも家の中は食器が飛び出したりして大変だったそうですが、被害を拡大させたのは2回目の地震だったそうで自宅のプロパンガスボンベも倒れる程の衝撃だったそうです。

%e4%b8%8a%e7%9b%8a%e5%9f%8e%e9%83%a1

「地面も亀裂が入ってたので通るのも恐怖を感じた。まるで映画のワンシーンが目の前にあるという現実感のなさ。道路がそんな状態なので、何度も迂回して15分で着く所が1時間かかるのが当たり前だった。これが続くとどんどん疲弊する」

お姉さんは腕の骨折、その3日後にはNさんが片付け中に階段から落ち足を剥離骨折。気持ちはどこかやはり平静ではなかったそうです。

「自宅は半壊。2階の天井からはバシャバシャと雨が流れてくる。ブルーシートを屋根にかぶせるのだって実は重労働かつ危険。しかもブルーシートを重ねた部分からは隙間風や雨が入り込んで住めない状況。水は1週間ほど止まってた。1日1時間程給水時間があり、その時に浴槽に水をためた。トイレで用を足すのも一苦労。体を拭くウェットティッシュ等必要な支援物資は早くから並ばないと手に入らない」

こんな状況を察して、福岡にいるお子さんが呼んでくれたそうです。

ただし…

「だんだんと子供も気疲れしてきた」そうで、Nさんも「出て行かないと」と思う様になったと言います。

 

 

  • 「一人がちょっと。これが支援のコツ」

そんな時に相談したのは、以前の勤務先で一緒だった太宰府市在住のIさん。Iさんを頼りに部屋探しの為に当社に来店され、お部屋が見つかりました。

「出来る範囲の手助けで十分。生活道具はIさんやその知人みんなが少しずつくれた。一人でしないといけないと思うと続かないし、自分自身も気が重くなる。“1人がちょっと”。これが支援の長続きのコツ」

「日頃から周囲の人とは仲良く。挨拶だけでも良い。その人間関係がいざという時にお互い(・・・)を(・)助ける」

「他人にこんなにお世話になった事は生まれて初めて。他人事じゃない。皆助けてくれる」

「本当に人の優しさを感じる。」

 

 

  • これからの事を聞きました

「役場からの家屋損傷状態確認も遅々として進んでいない。熊本に帰って現実を目の前にしたら、動けない気がしてまだ戻れない。」

「先が見えない。これからどう生きるか、まだ分からない。考えられない。」

「でも多少の揺れは慣れた。一杯飲んだら一緒よ(笑)」

そう笑って話すNさんに“火の国の女”の矜持を見た思いがしました。

そしてこうも言われていました。

「困っていることを我慢しないで伝える事が大事。」

「田舎の一人暮らしのおじいちゃんなんかは黙ってる事が多い。大変な時だから、これぐらいなら暮らせる。辛抱せないかんと思ってしまいがち。でもね、人は自分が困っている事を伝えていい」

%e3%81%8f%e3%81%be%e3%82%82%e3%82%93

自分から「困っている」とは実は中々言いづらいものです。なので私も出来る範囲の“ちょっと”でいいのでこちらから声を掛けようと思いました。

最後にはIさんもお見えになり、元気に楽しくおしゃべりをしてインタビューを終えました。

強さ・逞しさ・思いやり。そして明るさが生きて行く上で必要だと教わりました。

Nさん、Iさん、ありがとうございました。

 

 

  • 福岡県民間住宅借り上げ制度

熊本地震被災者支援として、“福岡県民間住宅借り上げ制度”が7月8日から始まりました。

これは、要件を満たした建物なら2年間に限り福岡県が借り上げる、という制度です。ざっくり言いますと、

【敷金礼金はとっちゃだめ】

【家賃上限は6万円(共益費・駐車場代等は別途発生OK)】

という条件があります。

「貸していいよ」という方はぜひご連絡下さい。

※すでに要件を満たす建物についてはインターネット登録を行い、”被災者支援物件”として広報・募集予定です。