2017年2月号(1)集合住宅の防火管理について

集合住宅の防火管理について

今回は賃貸物件に関わってくる「防火管理」について書かせていただきます。というのも最近、筑紫野消防署管内で人命が失われる火災が2件発生したからです。紙面の関係で基本的な事に絞りますが、お付き合いください。

一棟が8戸や10戸ほどのワンルーム、あるいは2LDKが4戸というような小規模のアパートでは、「消火器」(各階に1本必要)が設置されています。また、木造モルタル壁であれば「漏電火災警報器」(漏電した場合、警報を発する)も設置されています。消防法では、これらの設備が作動するよう維持管理と消防署への報告義務が課せられています。

比較的小規模の集合住宅では1年に2回(半年おきに機器点検と総合点検)の実施、3年に1回消防署へ点検報告書を提出しなければなりません。それに違反した場合は30万以下の罰金または拘留という罰則もあります。万が一のことを考えると最低限、法律で定められた措置は必要ですね。

(下は主な消防設備と点検の様子)

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建物の規模が大きくなると規定も厳しくなる

さて、先ほどは比較的小規模の場合でしたが、ある程度規模が大きくなると消防法の規定も厳しくなります。テナントが入っていて収容人数30人以上の建物や、居住専用でも収容人数が50人以上の建物だと自動火災報知機や避難器具なども必要になります。この規模だと年2回の消防設備点検は同じですが、消防署への報告は毎年となります。また、「防火管理者」を選任し「消防計画」の提出や「避難訓練の実施」なども必要となります。

防火管理者って何?

一定以上の規模だと「防火管理者」の選任が必要と書きましたが、防火管理者とは何なのでしょうか?消防法に定める「防火管理者講習」を受ければ資格が得られます(最後に簡単な試験があります)。一定規模以上の賃貸物件を建てる場合は、建築時にオーナーが自らを防火管理者として届けていることが多いようです。そして防火管理者の責務は「火災の発生を未然に防止し、もしも火災が発生した場合は被害を最小限にとどめるよう最善の対策を日頃から講じておく」ということです。具体的には消防設備の点検および維持管理、消防計画の作成、避難訓練の実施、

火気の取り扱いに関する監督などです。

キャプチャ

このように防火管理者は意外に責任が重いのです。また覚えておられる方も多いと思いますが2001年の「歌舞伎町の雑居ビル火災」のように刑事罰や民事での損害賠償もあり得ます(民事で10億超、刑事でもオーナー他5名が執行猶予付きの有罪判決)。でもそれほど責任が重いのに防火管理者には報酬や社会的地位など何もありません。

しかしそれでもリスクを考えれば火災におけるオーナーとしての「自分の身は自分で守る」「自分の財産は自分で守る」という準備が必要です(ある意味「火災保険」も同様の考え方です)。

これからも皆様のアパート・マンションの防火管理状況の把握、そして物件に応じた提案をしていく所存です。引き続きご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。