2017年9月号(2)どう変わった?改正住宅セーフティネット法

この春に「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。ちょっと名前が長いですね(^_^;)

少子高齢化の影響で学生が減少し、その代わりに単身高齢者が増え、二日市周辺のワンルーム事情はひと昔前と様変わりしました。なので今後も単身高齢者などの多少不安な申込みであっても、しっかりと調査対策した上で、取りこぼすことなく検討しなくてはなりません。この改正法で、不安な内容の申込みも少しは解消できるのでは!?

~以前と何が変わるの?~

今回の改正のポイントは二つあります。①高齢者・子育て世代・低額所得者等の「住宅確保要配慮者」を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設する。

②そうした「住宅確保要配慮者」の入居を円滑化する、この2つです。

2016年12月時点で、生活保護受給世帯は164万205世帯となり、過去最多となってます。主な要因は高齢単身者世帯の増加です。今後10年で高齢単身者は、約100万人増加すると見込まれています。また、若年層の平均収入は減少し、離婚や別居が原因で一人親の子育てが増加し、収入が減少する世帯の増加は避けられないのが現状です。

これまで、このような人達の入居は家賃滞納や孤独死等の不安から敬遠される傾向にあり、なかなか住む家が見つからない状況でした。しかし、その一方で人口減少の日本では、空家の増加が大きな社会問題となっています。

そこで、今回の改正目的は、家主様が抱える不安を少しでも取り除くことで、空家・空室の活用促進を目指すとともに、住宅確保要配慮者を優しく守る住宅セーフティネット機能の強化という点です。

~具体的には?~

■住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録。

登録された賃貸住宅は、都道府県等が登録住宅の情報を開示します。また登録する側は登録範囲を限定できます。例えば「障害者は対応するのが難しいが、高齢者なら対応できます」等です。他にも「家賃は代理納付に限る」等の条件を付け加えることも可能です。

■補助金等の経済的支援。

①改修への補助

登録住宅の一定の改修工事について、国と地方公共団体の補助が受けられます。また制度の立ち上がり期は当面、国が単独で賃貸人への直接補助を行います。補助を受けられる主な工事内容は、共同住宅に用途変更するための工事・間取り変更・耐震改修・バリアフリー改修工事・居住に最低限必要と認められる工事(専門家のインスペクション等による指摘を受けて行う工事)等です。限度額は一戸50万円(用途変更や間取り変更、耐震改修のいずれかを含む場合には一戸100万円)となっています。この件について福岡県庁に詳細を問い合わせてみました。その返答は「細かい部分はまだ決定していない」でした(^_^;)こちら側が補助を申請しようにも、申請書の様式もできていないそうです。また注意が必要で、申請前の工事は補助がでないそうです。

②入居者の負担軽減

登録住宅に低額所得者が入居する場合、国と地方公共団体が家賃や保証会社の保証料の補助を行うことができます。家賃については一戸で月2万円、保証料は3万円(入居時の保証料)です。両方の合計上限は一戸年24万円です。

③居住支援活動への支援

住宅確保要配慮者の円滑な入居を促進する為に、地方公共団体・不動産関係団体・居住支援団体が連携して、居住支援協議会を設立することができます。

主な業務は、入居に関わる情報提供や相談、見守りなどの生活支援です。

政令市・中核市は、できる限りこの協議会を設立することが求められています。更に、設立が難しい市区町村は都道府県が設立する協議会の構成員になることが望ましいとされています。これで地域に密着した支援を期待できそうです。

 

~最後になりますが~

この法律は2017年秋から運用開始予定です。内容としては物足りなく、まだまだ支援が不十分という専門家もいます。支援内容は、今後変更される可能性もあります。なので、この改正法が空家・空室問題改善の切り札となるかは今後の動向が気になるところです。

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