2017年2月号(2)お客様満足!?DIY賃貸

さて空家・空部屋を募集したいと考えた時、頭を悩ませることは何でしょうか?借り手はいるのだろうか?家賃はいくらに設定したほうがいいだろう?改装費用はいくらかかるだろう?早く決まるかなぁ~?等々、いろいろ悩むことがあると思います。その中でも改装費用は一番頭が痛いのではないでしょうか。

DIY 壁紙

まだ入居者も決まっていない段階での大きな出費です。空家・空部屋の改装費用は状態や間取りにもよりますが、決して安くないですよね。でも今の世の中、室内がきれいでないとなかなか決まらないのも事実です。では、改装が出来ないから空家をそのままにしておくのか?…諦めるのはまだ早い!

これを逆手に取ったのが「借主負担型賃貸・DIY」です。

以前本誌でもご紹介しましたが簡単に言うと、改装を入居者にお任せすることを条件として、賃貸に出そうというのです。しかしそれでも「お客様満足」が存在するように私は思いました。

それはお客様が、既に作られたお部屋に入居するのではなく、お客様自身の手で造ったお部屋に、お客様自身が住めるからです。そこはお客様のこだわりがつまった住まいであり、住みやすさを追求した空間です。お客様自身の想いの実現、これもお客様満足の1つのかたちだと思うのです。

ここで一例をあげたいと思います。最近DIY賃貸で募集して短期間で決まった物件があるんです!その物件は築42年の2DKの戸建。直近の退去者は10数年入居していたので汚れも頑固、設備も仕様も古いままなので、通常賃貸で出せる状態にするには結構な金額が必要でした。そこで思い切ってDIY賃貸にしたわけです。

ただ改装を入居者さんに負担してもらうので、家賃は相場より安めに。最低限度の禁止事項はあっても基本的には入居者の自由という条件で募集しました。本当にそんな都合よく決まるの?と思われるかもしれませんが、決まったんです!改装費にお金がかかったとしても安い家賃であれば工事費を分割で足してもトータルはそう変わらない額になります。

ビフォー(キッチン)
ビフォー(キッチン)
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アフター(キッチン)
ビフォー(二間)
ビフォー(二間)
アフター(二間)
アフター(二間)

それに長年妥協して通常の家賃を払うよりは自分好みのお部屋に住める方がいいとのことでした。

どうでしょうか!?特に汚れの目立った水回りの改善、清掃、これら全部入居者(とその友人)でされたんです!

今は「すごく満足で快適です」とのこと。私たちは募集する際、近隣物件を確認し地域で広く受け入れやすい部屋作りを模索し、お客様に提供しています。それはそれで正しいと考えます。

ただ、お部屋をより良くするのにも、上を見ればキリがありません。そこの線引きを入居者ご自身にお決めいただくのもお客様に満足していただく方法だと考えます。

DIY賃貸について心配な点があるとすれば、退去時だと思います。原状回復をどうするのか気になる所です。基本、DIYで賃貸した場合、退去者には原状回復を免除してるケースがほとんどです。

なぜならばほとんどのケースが入居者改装で募集する前より部屋の状態が良いからです。ただ入居前の原状回復費用が退去時のそれを超える場合は原状回復を課しています。また平成28年4月には国交省がDIY型賃貸借に関する契約書式例を提示しました。

それは今、空家問題が増加している中で、賃貸住宅の流通促進を進める上でも、このDIY賃貸を国も注目しているからです。改装内容や入居中の修理等も契約前の整備がキッチリ出来ていれば、お互いが安心して利用できると思います。

本ページ上図にDIY賃貸のメリットを掲載しています。是非ご覧ください。入居者の「こだわり」は入居者自身が造る! この「お客様満足のかたち」が空家に魂を吹き込み、「愛着」物件へと生まれ変わるのです。改装費がかかりそうな空家をお持ちであれば、是非ご相談ください。

メリット・デメリット