2018年01月号(1)賃貸物件での保険あれこれ第2章(オーナー編)

賃貸物件での保険あれこれ第2章

今月号はオーナー様が建物にかける保険を中心に書かせていただきます。

建物にかける保険は基本的に「火災保険」です。とは言え、火災だけが補償の対象ではありません。一般的に、基本的なリスク(火災、風災、落雷、雪災など)のみ対応するものを(1.住宅火災保険)、これより対応出来るリスク範囲が広いものを(2.住宅総合保険)と呼んでいます。

こう書くと色々と対応出来ると思われますが、補償の対象や条件はよくよく確認が必要です。

見落としがちなのが免責で、台風で損害が出ても20万未満は補償されないものがあります。逆に火災後、入居者が一時的にホテルや仮住まいを利用する費用まで補償されるものもあります。

また、冠水する地域なら水災も補償される必要があるでしょう。多数に及ぶ保険の組み合わせから、地域特性や費用対効果を考慮して最も合うものを選ぶことになります。基本的な保険の種類・補償範囲を整理すると右表のような感じです。

キャプチャ

 

地震保険とは?

地震保険とは地震や津波が原因で起きた火災や損壊等を補償するため、政府が補償を引き受けている保険です。純粋なテナントビルは対象外ですが、1Fテナント・上階は居住用のように「居住用」があれば建物全体に適用されます。

地震保険は火災保険に付帯して契約する形です。補償内容は火災保険の額が基準になっています。例えば火災保険2,000万円ならばその50%の1,000万円が全損時の限度額です。但し、上限があるので火災保険2億円でも5,000万円までです。

地震保険では一部損壊から全損まで5%~100%補償とありますが、火災保険の半額を基準とした%表示になっています。それから地震が多い地域と少ない地域では保険料に3倍程の差があります。

ちなみに福岡で火災保険2,000万円の物件に地震保険を付けると1年間で22,000円程度(関東は3倍)です。実は、西方沖地震の際、我が家の瓦が損壊し100万円の被害でしたが、地震保険が適用されて25万円補償されました。次のような計算です。

火災保険額1000万円、一部損壊査定で火災保険の半額の5%補償=25万円。

保険料は高額ではないので、地震対策として地震保険加入は最低限必要です。

 

オーナーの保険で漏水の保険対応はどこまで?

さて、次は災害以外でよく起こる「漏水」についてです。賃貸物件での漏水は多くの場合、入居者の家財にも被害が及びます。この保険対応はどうなるのでしょうか?実はオーナーが住宅総合保険(左ページ表参照)に加入していても、補償されるのはオーナーの所有分についてです。

つまり対応出来るのは2次的被害になる階下の天井・カベ・床などオーナー所有の「建物」に対する補修費だけです。保険の考え方では入居者に過失がない漏水は、オーナーがかけた保険での対応になります。

しかし、配管からの漏水は「住宅総合保険」に加入していても補償されないものがあります。

以下の3つは正に対象外です。

①漏水原因が配管の腐食など老朽化の場合。(雨漏りも屋根・カベの老朽化なら対象外)

②原因箇所そのものの補修費用。(一部床を剥いで配管修理等の工事費用)

③入居者の家財に及んだ被害。(パソコンやTV、冷蔵庫などで高額になることもあります)

基本的に上の3パターンはオーナー負担となりますが、③についてのみ対応可能です。それは「施設賠償保険」を追加で付けることです。入居者の家財に被害が出た場合、配管はオーナー所有なので、法律上オーナーが賠償責任を負います。

従って、このような賠償責任を軽減する施設賠償保険が必要なのです。

事実、入居者自身で加入している保険で家財被害が補償されたとしても、その保険会社が賠償責任のあるオーナーに補償分を求償することもあります。