2018年9月号(2)遊休土地の新たな活用法

放置されている土地が公園に変わる!?

さて、今回は少し前に閣議決定された【所有者不明土地特措法】について書かせて頂きます。内容は、所有者がわからない土地を有効活用できるよう、手続きの簡素化・コストの軽減を行い、公共事業の推進を目指します。
以前にも書きましたが、相続人が土地や建物を相続しても、その手続きが面倒、という理由で相続登記をせず、亡くなられた被相続人名義のまま放置しているパターンが増え、遊休土地の未活用といった問題が増えています。
確かに不動産登記は任意であり、登記後に所有者が引越しをした場合でも、住所変更登記の義務はありません。それにその登記費用もかかります。更にそんな事情からか、市町村としては「固定資産税を納めてくれれば問題ない」となり、そのまま長期間に渡り放置されているケースも拡がってきたようです。そして「いざ!」その土地を他者が売ってもらおう、貸してもらおうと考え、所有者にアプローチしようにも、その所有者を特定するために多大な手間と費用を要します。そこで!このような土地を円滑に利用する為、この法案が閣議決定されました。

~これで街づくりがスピードアップするかも?~

  • 所有者不明土地を円滑に活用する仕組み
    現に利用されていない所有者不明土地で、建築物もなく反対する権利者がいないものについては、地域住民等の福祉・利便の増進に役立つか否かの視点で、都道府県知事が公益性を確認します。
    そして、一定期間の公告をした上で利用権(上限10年間)を設定します。所有者が現れ明渡しを求めた場合は、期間終了後に原状回復し、異議がない場合は期間を延長することさえできます。
  • 所有者の探索を合理化する仕組み
    長い期間、相続登記がされていない土地について、登記官がこの旨を登記簿に記録することができる制度を作ります。要は「登記が変更されていない」と印をつけ、事前に手間がかかるか否かを判別できるようにします。
  • 適切に管理する仕組み
    所有者不明土地の管理上の様々な手続きを簡略化するために、所有者に代わって地方公共団体等が管理に携われるよう、裁判所に請求できる制度の創設をします。(民法上、利害関係人または、検察官のみ、管理人になることを認めています)

平成28年度の調査で、登記簿上の所有者や、その住所迄行きつかない割合は20%もあります。しかし、戸籍謄本を遡り兄弟姉妹も含め住民票を取得し、相続人を特定し、また除票で追いかける等をして、これらの手間とコストをかけて探索することで、その割合は0.41%にまで下がります。更には、そこからやっと交渉が始まるのです。交渉が順調に進むか判らないのに、この調査をするだけのために、多額の費用と手間がかかるのです。
この数値を見てわかるように、これらの手間をかけずに土地を活用できる。そんな仕組みがあれば、所有者不明土地をもっとスピーディに数多く活用することができるのではないでしょうか。

~土地の活用方法は?~

それでは、上記のような土地を取得し、具体的には何に利用するのでしょうか?
まず1つ目がポケットパークです。
公園
これは「ベスト・ポケット・パーク」の略で、ベストについているポケットの様に小さな規模の公園という意味です。ちょっとした空間が色のついたレンガでデザインされ、ベンチが置いてある。そんな場所をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。若しく
は住宅地の中に、植物の緑と小さな水場と生態系により、自然を感じられるビオトープとか・・・。
次に、地域の直売所です。
直売所
ご存知の通り地元の農家、あるいはJA等が設置したその地域で取れた農産物を販売する場所です。ここに、人と人とのコミュニケーションが生まれ、最近課題となりつつある孤独化問題を同時に解消できるようなコミュニティスポットを創る等です。
このように、手入れもされず、草が伸び放題、そんな風に忘れ去られてしまった寂しい土地を地域活性化のために利用する。更に、その場所が地域の人達の憩いの場になると、どこかヨーロッパのようでお洒落ですよね!
いつの日か、私が住んでいる筑紫野・太宰府エリアにもこんな場所が増えていったらと思うとちょっとワクワクしてしまいます(笑)