2019年10月号(2)今注目を集める「不動産M&A」とは・・・?

最近、私達の業界でも後継者不足や高齢化に伴う健康上の理由から、やむなく会社をたたまざる得なくなり、
会社とその会社の所有する不動産を売却したという話をちらほら耳にするようになりました。
これまでは、会社を清算する場合、会社が売主となり所有する不動産を売却、その後会社を清算する方式が一般的でした。
しかしこの会社清算方式、売却後の利益に対して約40%の法人税がかかるのに加え、
法人税を控除した残額に最大で50%を超える所得税が課税される、とにかく売主にとって税金のかかる仕組みでした。

「不動産M&A」のメリットとは・・・?

そこで注目されるようになったのが、今回のテーマである「不動産M&A」です。
「不動産M&A」では、会社清算方式のように会社が売主となって不動産を売却するのではなく、
売主は買主に対し、会社の株式を譲渡することになります。
そのため、売主に対して課税される税金は、株式譲渡益に対する約20%の所得税のみとなり、
会社清算方式と比べ、売主の手元に残るキャッシュは最終的に多くなる可能性があるのです。
となると、売主にとっては売買価格をある程度減額したとしても、最終的に手取り額が増えるという節税効果が見込める一方、
買主にとっては交渉次第で不動産を割安に取得できるという、まさに売主・買主双方にとって魅力的なスキームなのです。
また、多くの経営者は会社に対し多額の貸付金を有している場合があります。
譲渡代金からこれを返済してもらえば税金とは無縁のお金です(笑)
その他、買主にとっては登記費用もかかりません。

事業承継の構成要素

「不動産M&A」と事業承継

「不動産M&A」では法人の保有する株式と不動産だけでなく、事業や従業員も譲渡対象となります。
そのため、これらを不動産と一緒に譲渡できれば、会社清算に伴うコストもかからないというメリットがあります。
ちなみに会社清算に伴うコストには、設備の処分費用や在庫処分費用、店舗を賃貸している場合は原状回復費などがあり、
事業を清算する際は多額の費用が発生します。
しかしながら、売主・買主両者にとって良い条件で「不動産M&A」が成立すれば、事業清算コストをかけずに事業も承継可能、
従業員の雇用も守られることに繋がるので、相続対策としても有効なのです。
但し、買主は簿外債務などのマイナス要素も売主から引き受けるリスクがあるため、
回避するためには相手の会社の財務状況などの詳細を専門家に依頼し調査する必要があります。
とはいえ、当社にも最近この「不動産M&A」の相談が増えてきましたので、ご興味がありましたら遠慮なくお申し付け下さい。