2020年11月号(2)“家” と “幸せ”について考えてみました

●家を買うことについて考えました…
不動産という仕事をする事になるとは全く思ってもなかった子供の時。
しかしなぜか当たり前のように思っていた事がありました。
「大人になったら家は買うものだ」と。
その予言通り(笑)、お陰様で今から約10年前に家を購入しました。
しかし、仕事柄、家に関する書物等を見聞きしていく中でふと思いました。
あまり考える事もなく“家は買うものだ”と思い込んでいたんじゃないかと…
なぜこのように考えたんだろうと調べていくと、
戦後の住宅事情が背景にあると知りました。
そうなんです!キーワードは住宅不足貧困だったのです。

●貧困から脱する事は、つまり幸せになる事と同義だった
戦後の日本は住宅不足。
「お金を貯め家を買う」それが多くの日本人が思う“幸せのカタチ”だったように思います。
事実、『住宅購入』は収入の多さを示すバロメーター。
自分の住まいが“持ち家であること”はステータスでした。
家を買えるぐらいの貯蓄がある、安定した仕事がある。
それは貧乏ではない事の証明。つまり、幸せ
そして住宅建設は建設業も潤う事になり、日本経済を後押しする為、
国を挙げて購入の機運を高めていました。

●亭主元気で留守がいい
とあるCMで昔、このフレーズが流れていました。
なんと恐ろしい言葉でしょう(笑)
しかし父親も、家を買えば夫・父親としての責任は終わり、
そのローン返済をしていくだけで十分な役割を
担っていると考えていたフシがあったようです(^^)
ある意味で夫婦の幸せのカタチ(利害関係)は、一致していたのかも知れません(笑)

●家を買う事が幸せではなくなっている?
夫婦と子供世帯の家族が家を買って幸せな毎日を過ごす…。
昔から幸せのカタチと思っていた、この家族のカタチは、今や多数派ではなくなっています。
なぜかと言うと今、日本で一番多い世帯はなんと単身世帯なんです。
戦後75年が過ぎ、「家は買うものだ」 「家を買ったら住宅すごろく、あがり」
という時代は終わりを迎えているのかも知れません。
さらに言えば、幸せには長続きする幸せと長続きしない幸せがあるそうです。
金・物・地位は手に入ったら幸せを感じるけど、“もっと”と欲が出るので長続きしないそうです。
逆に長続きする幸せは、安全・健康など心がいい状態の事。
冒頭でお伝えした私の疑問は解決された気がします。

●“家”と“幸せ”の関係は・・・?
とある調査では、幸福だと回答する人は不幸だと回答する人よりも
仕事にも家庭にも収入にも健康にも全てにおいて、
一貫して満足度が高い傾向があるそうです。
ただし、そもそも人生全般の満足度が高い幸福な人は、
それだからこそ仕事も家庭もうまくいくとも言えるそうです。
まるでニワトリが先かタマゴが先かみたいな話ですね。

面白い話があります。
フランスの哲学者が書いた『幸福論』によると

「気分というのはいつも悪いもの。不幸な出来事が起こったわけではないのに、
不幸な気分の人がいる。それは人間が本来、自然に任せていると不幸になってしまう存在だから。
だから幸福になるには“幸福になるぞ!”と意思を持って自分をコントロールする努力が必要。
幸福になろうとしないと幸福になれない。そしてそれは心と体の使い方で決まる」

このように書かれています。

“成り行きまかせ”では、幸せになれない…。
という事は“どう暮らすか”が幸せの鍵なのでしょうか。

●幸せに暮らすために
幸せになる為の4因子があるそうです。。

【第1因子】やってみよう!因子
何か目標があったり、強みを持っている人は幸せ。
自分は出来るという自尊感情も関係するそうです。

【第2因子】ありがとう!因子。
つながりと感謝の因子。つまり感謝する人や利他的な人、友達が多様で多い人は幸せ。

【第3因子】なんとかなる!因子。
前向きでポジティブな人。楽観的な人。
自己受容つまり自分のことはいいところも悪いところも含めて好きになれる人は幸せ。

【第4因子】あなたらしく!因子。
人の目を気にせず自分らしく独立してマイペースでやっていく人は幸せ。

中学高校大学と運動部に所属していた私はいわゆる体育会系

“仕事は教えてもらおうと思うな盗んで覚えろ”
“返事は「はい」「イエス」「喜んで」この3つしかない”
“早く1人前になりたければ人の3倍働け”
“男は家を買ったら1人前”

このような考え方で生きてきて、そして今でも実践中の私(笑)
“幸せ街道まっしぐら”と思っていたのは、ひょっとして私だけだったかも?(・_・;)

“家”“幸せ”について、改めて謙虚に考え、自分を見つめ直していこうと思います。
私、なんだか反省文を書いてますか?(笑)