マンション管理人をAIが担当…?
近年、人工知能(以下:AI)を導入し、作業の効率化や人間の手間を代替する動きが広がっています。マンション管理の分野でも、マンション管理人やコンシェルジュをAIでサポートする「AI管理人」「AIコンシェルジュ」といったサービスを実験的に導入する動きが出てきています。2018 年度中の商用化に向けて企画開発を進めているようです。
実際のマンション管理員と違い、AI管理人であれば365日24時間、いつでも入居者からのお問い合わせ対応が可能となります。近年のマンション管理人不足に対する新たな解決策として、各社が導入に向けて動き出しています。
そもそもAIって?自動返信とは違うの?
AIマンション管理人と言っても、結局はただの自動返信なのでは?AIって何が出来るの…?といった疑問を持たれる方もいるかもしれません。
そもそもAIとは一体何を指すのでしょうか。実は、明確な定義は決まっていないそうですが、AIとは「自力で学習・成長をする」ソフトウェアのことを指します。通常のソフトウェアであれば、あらかじめプログラムされた処理(自動返信)を繰り返すだけなのですが、AIは、学習と成長を通じて、より良い判断・より正しい処理を行うことができます。
過去にGoogleでAIの実験が行われました。猫の画像を機械が猫と認識するかどうか…?結果は、最初は猫の画像とは認識しなかった機械が、大量の猫の画像データを読み込ませることで、それが「猫」だと認識できる様になったそうです。「猫がどういうものであるかを人間に教えられること無くコンピューターが自力で理解をした。」論文にはこのように記述されています。
※膨大なデータと機械学習により、機械が猫を「猫」だと自力で理解をした。
不動産管理業もAIの波が押し寄せる!
不動産賃貸仲介や売買仲介では「自動返信・追客・希望物件提案システム」「不動産投資シミュレーター」といったAIを活用したサービスが既に市場に出ています。しかし不動産管理業でのAIについては未開拓の部分が多いかと思います。しかし、先述したように、不動産管理業務のAI化に向けて既に各社が動き出しています。例えば「鍵の紛失相談などの問い合わせに対してAIが自動で解決策を回答する」といったサービスを開始している企業もあるようです。入居者は問題が発生した時に24時間いつでも相談できるようになり、不動産会社にとっても相談窓口を担当するスタッフの負担が軽減出来るなど、AIの導入は双方にとって大きなメリットがあると言えます。
だからといって全てがAIで解決できるという訳ではない
実はAIには苦手とすることがあります。それは、「過去のデータが役に立たない」分野です。AIは膨大な過去のデータを元にした学習によって成長し、その真価を発揮します。つまり過去にデータのない事をAIで解決しようとしても無理なのです。不動産管理業であれば、例えば、部屋の設備の故障・不具合や騒音等のクレームが発生した際に、相手によってパターンが違う対応をする、といった事はAIではできない部分だと思います。その不具合は故意なのか?過失なのか?自然に壊れたのか?など、相手によって繊細なコミュニケーション対応が必要となるからです。これらは現状では人間にしか出来ないことです。しかし、膨大なデータや学習により、やがてAIで解決ができる部分が出てくるかと思います。引き続きAIの業界動向に注目していきたいと思います。