2026年3月号(2) レッドオーシャンから一歩抜け出すための挑戦

賃貸経営において「空室が決まらないなら家賃を下げる」という判断は、これまで有効な手段の一つでした。
特に築年数が経過した物件においては、なおさらです。
しかし、近年では修繕費・設備費をはじめとする、その他の維持費が上昇し続けており、
単純な値下げを続けることは、長期的に見て収益性や資産価値そのものを損ねる結果にもなりかねません。

では、値下げ競争に巻き込まれず、それでも選ばれる部屋をつくるためには、どのような方法があるのか?

その実験として、今回、既に16帖あるLDKを脅威の22帖に拡げる「バリューアップリノベーション」を実施しました!
Beforeの2LDKは、幅広い層に対応できる汎用性の高い間取りとされてきましたが、共働き世帯、少人数世帯の増加を背景に、部屋数の多さよりも、
日常的なコミュニケーションや来客時の対応を大切にできる、LDKを住まいの中心に据えた生活スタイルの支持が増えています。
さらに今回のリノベーションでは、間取り変更だけでなく、照明を含めた天井のデザインや内容の質感、家具との調和など、空間全体の完成度にも目を向けました。

賃貸住宅では低コストを優先するあまり、見落とされがちな部分ですが、
細部まで手を加えることで、これまでにアプロ―チ出来ていなかった熟年夫婦への可能性も広がります!
工事前後の間取り図およびビフォー・アフター写真を掲載していますので、ご覧ください☆

Before

LDK

After


同じような設備や間取りの物件が並ぶ賃貸市場は、いわば競争の激しい “レッドオーシャン” とも言えます。
今回の取り組みは、そうした競争の中で単純な値下げに頼るのではなく、
住まいの価値そのものを高めることで新たな需要を探る、ブルーオーシャンを模索する試みでもあります。
まだ多くの事例はありませんが、リスクを覚悟して最初に挑戦する “ファーストペンギン” のような姿勢で
検証していくことも今後の賃貸経営の可能性を広げる一つの方法です。

一方で、バリューアップリノベーションは、原状回復や部分的な改修と比べ、費用や工期の負担が大きいことも事実です。
すべての物件に一律に適用するのではなく、物件全体の資産価値を見据えながら、エントランスや外壁塗装、
設備のグレードアップ、間取りの変更などを中長期的な視点で段階的に検討・実施していく改修となります。
従って今後どれくらいの期間所有するのか、将来的に売却の可能性も踏まえながら、投資費用と期待できる回収率のバランスを見極め
物件ごとに最適な方向性を、私たちと綿密に計画していきましょう(^^)