●小規模宅地の評価減特例
相続時に使える“土地評価を下げる特例”に、小規模宅地の特例というものがあります。
これは、被相続人の所有していた財産のうち、一定の要件を満たすことで、
相続土地の評価が最大8割引きになるというものです。
この特例が適用できる土地の用途と面積は以下のとおり。
①自宅用地・・・100坪まで8割減
②事業用地・・・120坪まで8割減
③賃貸用地・・・60坪まで5割減
ポイントは、物件ごと何坪ではなく
被相続人1人に何坪。というところ。
そして、自宅用地と事業用地は完全併用可能で合計220坪まで使用可です。
しかし、自宅用地と賃貸用地の完全併用は不可となります。
●自宅用と事業用、賃貸用の併用
【A】原状は上記図Aの自宅用だけ。50万円×100坪の8割減で▲4000万円。
【B】500万円×120坪=6億の賃貸物件取得。賃貸用は60坪まで5割減。
計算すると割引▲1億5千万円ですが、自宅用と賃貸用のダブル適用は“不可”。
なので、自宅用の▲5000万円より節税効果の高い、賃貸用▲1億5千万円を選択します。
税法は、汗水流して働く人には【事業用】として “120坪まで”“8割減”&自宅用地との併用が可能。
という軽い税金にします。しかし、汗水かかない不労所得のある人には【賃貸用】と評価して、
そこには重い税金です。だから“60坪”に“5割減”だけ。
なので、相続対策としては賃貸用ではなく“事業用”を目指します。
例えば、ビル全体を賃貸用から、自ら汗かき働き経営する飲食店に転用し稼ぎます。
相続後の相続人も飲食店を継承します。これで賃貸用でなくて“事業用”に。
ついに【C】になりました。土地6億から事業用8割引き▲4億8千万円となり、
課税対象は1億2千万円へ。
【B】の賃貸用なら課税対象合計は5億円ですが、
【C】の事業用なら、同じ合計で1億3千万円に“激減”です。
相続税率50%なら税額1億8千万5百万円減。
●相続税対策でホテルを買う?
星野リゾート代表…「都市部でホテル運営を投資家に依頼される案件が増えている」。
プリンスホテル西武HD社長…「所有ホテルを売却し、運営受託にするのも選択肢のひとつ」。
投資家は、相続税対策を狙ってホテル経営に参入です。
ホテルを買った後が大切。汗水かいてホテル事業を営み【C】にするか、
売主等もともとの運営会社などに運営委託しても【C】。
運営委託でも?と思いますが、事業リスクを負えば事業用。
土地評価は12億円の8割減で課税対象2.4億円になります。
買ったホテルを売主運営会社にただ「賃貸」「リースバック」しただけなら賃貸用となり【B】なので注意。
しかも今のホテル運営は先行き不明、資金ギリギリでは危険です。
だから余裕ある相続税対策狙い資産家の出番。一般家主さんの出る幕なし…。
●投資用物件の旅館コンバートなら?
アパートや貸しビルから旅館転用でも同じ節税効果アリ。
建築確認申請や、消防法上の設備投資が必要、その上で旅館業法の許可申請ですが、
賃貸マンションなら【B】、旅館転用後は事業用に変わり【C】、
運営会社に運営委託でも変わらず【C】、つまり併用不可から完全併用可に変わります。
これなら今の資産に手を加える程度の出費で、大きな節税効果を得ることが可能です。
ただし、今はホテル運営の先行きが不明な点は同じ。
旅館の運営がコケたらどうするの??
心配無用!すぐに“廃業”、一般賃貸に戻せます。
てことは…相続発生時点だけ事業用、相続後は賃貸に戻すだけでも…。
〇税指南をしているわけではないので責任は取れません。悪しからず。あとは個人の自由です(笑)。
興味のある方は、民泊・簡易宿所運営事業者の当社までご連絡ください☆
●3年に一度の見直しも要チェック!
今年、令和3年は3年に一度の固定資産(土地、家屋、償却資産)の評価替えの年です。
ここで付けられる評価によって、固定資産税、都市計画税の課税額の変更や、
相続税の計算にも影響が出ます。
一般的には、地価公示価格を100とした時に、
実勢価格(市場で売買される価格)は110、相続税評価は80、固定資産税評価が70となる“はず”ですが、
土地によっては、実勢価格よりも高く評価されている土地があります。
そんな土地は要注意!
毎年高額の固定資産税を納めていたり、
相続時に莫大な相続税がかかる!という事態になりかねません。
今実際に、時価の2倍以上の相続税評価が付けられた土地の“評価変え”に取り組んでいる最中です。
実勢価格や評価額を事前に調べておく、これも大事な相続対策の1つですね。
ご自身の土地の評価を知りたい方はお気軽にご一報ください。
査定料はもちろん無料です☆