皆様は不動産オーナー様として物件の維持管理、
特に空室対策には関心が高いのではないでしょうか。
これまで私たちも空室対策については様々なご提案をさせていただきましたし、
またお部屋の人気設備ランキング等の情報提供も何度かやってきました。
もちろんそれらも大切な事ですが、
今回ご紹介する情報を知ってるのもまた重要ではないかと思います。
それが“住まい探しの妥協ライン”です!
過去2年間で賃貸契約をした18~50歳の男女400名を対象に、
契約する際の妥協点と入居後の影響についてまとめた情報でした。
これまでにない逆の視点だったので大変興味を引きました。
様々な人気設備を付ければ、もちろん決まりやすくはなりますが費用が大幅に上がります。
ではまず優先すべきはどこなのか?
また、既にアパートやマンションを持たれている方で、もうだいぶ古くなっているから…とか、
相当お金がかかりそう…とか、そもそも立地が悪いから等、
勝手な思い込みで放置しているのであれば、ちょっと待ってください!
今回見ていく視点がヒントになるかもしれません。
今回は賃貸物件という前提で、その妥協ラインを見ていきたいと思います。
【“お金・築年数・広さ・時間”の妥協ライン】
●家賃の妥協ラインは予算の1.1~1.2倍。
他の条件が希望に合えば予算を上乗せできるケースもあるようです。
●築年数の妥協ラインは当初の+10.2年。
年数が経ってるが故、家賃を安く抑えられたのと、きちんと掃除をして使えば思ったより快適だったとのこと。
●広さの妥協ラインは当初の-7.1㎡。
思い切って断捨離するきっかけになった、掃除もしやすくエアコンの効きも良くなってよかった等の意見がありました。
●最寄り駅までの徒歩分数の妥協ラインは当初の+9.3分。
自転車移動に変えてみると、案外時間は気にならなくなったそうです。
このように工夫次第・捉え方次第で妥協後も問題なく過ごせているケースが多いようです。
【“建物・環境面”の妥協ライン】
次の図を見ると、お部屋探し全体の約2割は「建物構造・建て方」「日当たり・風通しが良い」「階数」を妥協しています。
そして、妥協した人の半数以上が「妥協しても問題なかった」と回答しています。
「建物構造・建て方」は、防音性や防災面を気にして妥協しづらい条件の一つですが、
最近の耐火性能や防音性に優れた木造建築の登場で見直されたり、
災害に強い地区なので木造でも問題ないと感じた等の意見があったようです。
「日当たり・風通しが良い」は、部屋の明るさや洗濯物の乾きやすさを不安視する人もいますが、
除湿空気清浄機が一般的になった事、日当たりが影響する時間は不在が多い等、
住んでみると案外問題ないケースも多いようです。
「階数」は、防犯面や虫対策などで気になる条件ですが、
セキュリティー設備の普及などが妥協理由となっているようです。
【住まいの“設備”の妥協ライン】
下図を見ると、最も妥協していたのは
「オートロック」で、次いで「2口以上コンロ」「洗面所独立」「宅配ボックス」でした。
「オートロック」は、なんとその中の8割が「妥協しても問題なかった」と回答。
セキュリティー面で安心な設備ではあるものの、
まずは部屋の鍵をきちんとかければ問題ないとの意見が多かったようです。当たり前ですが…(^^;
また「コンロ」は電子レンジとの併用で1口でも十分だったとか、
「宅配ボックス」も配送指定の利用でクリア出来たりと実際に住んでみると問題なかったケースもあるようです。
ただ「防音設備」は「妥協して後悔している」が半数以上でした。
テレワークやオンライン授業、おうち時間の増加で重視される設備のため、
妥協するかどうかは注意が必要なようです。
【まとめ】
今回妥協点に触れて、住む前の先入観が大きく影響していると感じました。
よって入居者の実際の生活との擦り合わせが決め手になっていくと思います。
私たちもオーナー様と入居者双方、今回の情報も活用し、
総合的に提案できるよう、これからも頑張ります!!
参考資料:at home「ユーザー動向調査 それぞれのトレンド&スタイル 住まい探しの妥協LINE 賃貸編・売買編」