総務省の発表によると、令和6年1月1日現在、日本人の総人口は約1億2156万人となり、昨年の同じ時期と比べて、86万人も減ったそうです。平成21年をピークに、15年連続で日本人の人口が減少した一方で、外国人の人口は初めて300万人を突破し、過去最多になったとのこと。調査が始まった昭和43年以降、日本人は減少数が過去最大、外国人は増加数が過去最大になったというのです。
全国の中でも、最も外国人居住者が多い都道府県が東京都で、東京都の人口の4.25%にあたる約64万人が外国人居住者。前年から6万6千人増えています。
前年対比の増加率で見てみると、熊本県が最も高く、2023年中に24.18%も増加しています(TSMC?)。
市区町村では、大阪市が約17万人の外国人住民を抱え、全国最多となっており、福岡市は約4.5万人で7位にランクイン、クルド人問題で有名な(?)あの埼玉県 川口市の9位よりも上です。
このように、全国でも比較的大きな都市や、TSMCなど外国企業の誘致を行った地域など、各地方に外国人住民が増えおり、ここ筑紫地区も、今後さらに外国人が増える可能性が十分にあります。実際に、私が青山地建に入社した平成18年頃は、近隣大学の構内や通学路で見かけるのは、ほぼ100%が日本人学生で、周辺の単身用アパート・マンションでも、外国の方を見かけることはほとんどありませんでした。しかし時は流れ、令和6年現在、弊社の前を通って通学するのは90%以上が外国人留学生という驚きの状況です。地方の外国人増加を、毎朝、肌で実感しています。
賃貸管理の新常識?
このように、年々増える外国人の受け入れ先として、民間の賃貸住宅が活用されることは言うまでもありません。国土交通省は、外国人が民間の賃貸住宅に円滑に入居できるよう、また、賃貸オーナーや仲介業者、管理会社にも外国人入居者への理解を促すよう「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」を作成しています。ここでは、同ガイドラインでも紹介されている、外国人受け入れの際の大事なポイントと当社の取り組みを3つ紹介します。
Ⅰ.トラブル予測と対応力
外国人入居者に関連するトラブルで多い傾向にあるのが、ゴミ出しのルール違反や生活音、匂いです。ゴミ出しについては、種類ごとに分別することや、それぞれの指定日に出すことをしっかり説明しておく必要があります。当社では、自治体が作成したゴミ出しについてのパンフレットとともに、実物の指定ゴミ袋を見本として手渡しし、理解しやすい工夫をしています。また、文化の違いから時折、
大人数で騒いだり、臭いの強い香辛料で調理をされることがあるため、本人または、雇用元の企業担当者に、こうしたことが近隣からのクレームになることを伝え、入居する前から入居者教育を促しています。
Ⅱ.家賃債務保証会社の活用
日本人の方がお部屋を借りる際にも必須にしている家賃保証会社ですが、外国人入居の際もしっかり加入していただきます。この保証会社選びも非常に重要で、巷では「外国語のサポートまで充実しています」と謳っているものの、肝心の対人対応能力や、無断帰国、原状回復費用についての保証が十分でない保証会社も
存在します(テレビCMまでしているのに!です)。万が一に備えて加入する保証会社ですので、当社では選定基準を設け、各保証会社に、当社専用のプランを作ってもらっています。さらに、英語、ネパール語、韓国語が話せる社員がいるのも当社の強みです。
Ⅲ.緊急連絡先も確認する
トラブルが発生した場合に備え、日本在住の親族や友人、勤務先、通学先を聞いておくことで、トラブルの際に援助を求められます。日本に長く住み、日本の習慣などを理解している方が理想ですが、当社では、数年前から外国人の受け入れも積極的に行っているため、既存の入居者さんや学校、企業担当者の方が支援者になってくれるケースもあります。先日も、前述の保証会社では保証してくれなかった費用を、当社の管理物件に住んでいる友人の方にお願いし、帰国先の契約者本人と連絡、友人の方に、これを立て替えさせて解決したという出来事がありました。
外国人が増えるのは国策です
人口減少を外国人で解決したい政府は、留学生や、労働者の受け入れに積極的な姿勢を示しています。今後も外国人への規制や法律が緩和、変更されていく可能性があり、良し悪しを判断するよりも先に、身近で外国の方と接する機会が増えていくでしょう。大事なものは守りつつ、変化に対応するため、賃貸物件でも今回ご紹介した対応や、さらなる準備が必要です。今後も地元の管理会社として、世の中にアンテナを張り、しっかりと準備をしていきます。